エジプト
 
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 ヒエログリフ解読
(古代文字へのご招待)
(4)トトメス3世のオベリスク(北面)を読む
 今回はイスタンブールのヒポドロ-ム広場にあるトトメス3世のオベリスク(北面)の訳です。古代エジプト語を研究する、K.N氏による解読をご紹介いたします。
 
イスタンブールのオベリスク
  「このオベリスクは、エジプトから運び出されたオベリスクの中で一番最後のものである。これが最初に建立された所は、カルナック神殿の第7塔門南側で、このオベリスクを引き下ろすためにローマ人が使ったと思われる傾斜路の遺跡を、フランス隊が最近発見した。」
(R.ハバシュ 「エジプトのオベリスク」より)

 
 <解読>

 ホルス名「高貴なる上エジプト、ラー神が愛した者」
 二女神名「マアト女神の登場、二国を愛した者」
 「ラーの出現は確固なり、ラー神に選ばれし者」

 すべての国々を服従させた勝利の主。
 大地の始まる果てから、ナハリンの地(ミタンニ)までに至る彼の国境を確立した。
 
<K.N氏による解説>

 この面は、次回ご紹介する南面の碑文とともに、ユーフラテス川の渡河に成功し、大勝利したシリアでの戦い(治世33年、8回目の遠征)を記念していると考えられる。

 トトメス3世は13回に及ぶアジア遠征をしたが、この戦いは最も画期的なもので、彼は祖父トトメス1世の境界碑の近くに自らの境界碑を建てた。
(松本弥 「古代エジプトのファラオ」 P.181~184参照)
 
 イスタンブールのトトメス3世のオベリスクは、ローマ皇帝テオドシウスがこのオベリスクをこの場所に運び込んだとされているので、「テオドシウスのオベリスク」とも呼ばれます。イスタンブールの有名なスルタン・アフメッド・ジャミー(ブルーモスク)の西側、ヒポドロームの跡地にあります。
 
*岡本正二氏「世界のオベリスク」というHPを参照させていただきました。(小)