今回は、前回に引き続きイスタンブールのヒポドロームにあるトトメス3世のオベリスク(西・南面)を読んでいただきました。
古代エジプト語を研究する、K.N氏による解読をご紹介いたします。
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イスタンブールのオベリスク
左(西面)、右(南面) |
<解読(西面)>
ホルス名「力強き雄牛、ラー神に愛されし者」
二女神名「ラーの出現は確固なり、ラー神に賛美されし者」
神の母、ネイト女神の両腕の上で乳離れさせられた王子として、アトゥム神が王に育て上げた。
すべての外国を征服した者。
永い生涯。セド祭の主人。
<解読(南面)>
ホルス名「力強き雄牛、マアト女神と共にある者」
二女神名「ラーの出現は確固なり、ラー神が生みし子」
彼は、軍隊の先頭に立って勇敢に、勝利を重ねつつ、大勢の敵を虐殺しながら、ナハリン(ミタンニ)のユーフラテス川を渡航した。 |
<N氏による解説>
西面で、トトメス3世のことを「セド祭の主」と称している点から推測して、このオベリスクは彼の即位記念祭(セド祭)を祝して建てられたものであると思われる。 |
イスタンブールのトトメス3世のオベリスクは、ローマ皇帝テオドシウスがこのオベリスクをこの場所に運び込んだとされているので、「テオドシウスのオベリスク」とも呼ばれます。イスタンブールの有名なスルタン・アフメッド・ジャミー(ブルーモスク)の西側、ヒポドロームの跡地にあります。
*岡本正二氏「世界のオベリスク」というHPを参照させていただきました。 |