今回は、2012年9月17日まで六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されている(その後10月6日からは福岡市美術館で開催される)大英博物館古代エジプト展で展示されている、「フウネフェルのパピルス」から、挿絵として描かれているステラ(石碑)の内容を読んでいただきました。
古代エジプト語を研究する、K.N氏による解読をご紹介いたします。
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大英博物館古代エジプト展の
パンフレットにも使用されています |
「フウネフェルのパピルス」の
このステラの部分の内容です |
<解読>
王賜の供物。
オシリス神よ、西方の第1人者、永遠の主、永遠の祈祷師、崇拝の主、神々が出現する時先頭にいるもの。
おお、アヌビス神よ、ミイラ作りの場にいるもの、偉大なる神、神殿の第1人者。
神々に大のお気に入りの故フウネフェルのカーの為に、墓を出たり入ったりすることを、年初のオシリス神のすべての祝祭でオシリス神の従者となり、供物の受け取り手となることを、オシリス神の御前に出ていくことを、与えたまえ。 |
フウネフェルのパピルスは1852年に大英博物館に収蔵されました。フウネフェルの称号は「王の書記、セティ1世の家令、二国の主の家畜の監督官」です。供養碑(ステラ)の前にはジャッカルの頭をした人物に支えられて、フウネフェルのミイラが立っています。
ミイラの前には妻ナシャとおそらく娘がフウネフェルの死を嘆いていて、その後ろには2人の神官が口開けの儀式のための道具を持っています。その後ろでヒョウの毛皮を着て香をたき、供物に清めの水を注いでいる人物は喪主と思われる。(大英博物館 古代エジプト展 カタログより) |