ヒエログリフはどうやって読むんだろう?私にもできるかな?という方に、これから数回にわたり、簡単な文例で、解読の方法をご紹介していきます。
まず、古代エジプトの文字は活字体のようにくっきりと書かれる「ヒエログリフ」、ちょっと崩した行書体の「ヒエラティック」、そして素人には全く原型が想像できない草書体のような「デモティック」の3つの文体からなります。もちろん最初から草書体の解読などできません。まずは読みやすい「ヒエログリフ」から始めていきましょう。
古代エジプトのアルファベットは24種類あります。その1つ1つに発音記号が割り振られています。すべてのヒエログリフはこの24種類の発音記号で表すことができます。(ヒエログリフを発音記号に直すことを「翻字」といいます。)この発音記号は全世界共通で、辞書もこの順番で単語が並べられています。
古代エジプトの文字はすべて子音で母音はありません。そのため正確な発音は分かっていませんが、便宜的に子音と子音の間に”e”を挟んで読むことが一般にされています。 |
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古代エジプトの文章は、上記の『1子音文字』(1つのヒエログリフが1つの発音を持つ)の他に、1つのヒエログリフが2つの発音を持つ『2子音文字』、3つの発音を持つ『3子音文字』、そして単語の意味を決定する発音を持たない『決定詞』から成り立っています。 |
<2子音字・3子音字の例>
これらは1つの文字で、2つまたは3つの発音を、持っています。
そしてさらに、ヒエログリフには送り仮名があります。
例えば、上記の「pt」という文字は1文字でもきちんと「pt」と
読むことができるのですが、と書かれることも多くあります。
このばあい、「ptpt」と読むのではなく「pt」と読みます。
さあ、だんだん複雑になってきましたね。
まだまだ頑張りますよ。
そして『決定詞』というのは、ちょうど漢字の「へん」にあたると
考えるとわかりやすいでしょう。
「きへん」は木に関するもの、「松」、「杉」、「梅」など、
「ごんべん」は言葉に関するもの、「話」、「講」、「議」などと
非常に似たような働きをします。
例えば「ラー」という文字は、
「太陽」を表す場合と、「太陽神ラー」を表す場合があります。
この1文字でも文脈から推測することはできますが、
神様を表す決定詞を後ろにつけることにより、
こんな風に 太陽神のラーだよ、おひさまじゃないよ、
とはっきりさせることができます。
こまごまとした解説はひとまずこの辺で、次は実際の文字を読んでみましょう。 |