エジプト
 
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 ヒエログリフ入門
(古代文字へのご招待)
ツタンカーメン王墓北壁(3)
 前回に引き続きツタンカーメン王墓の壁画を読む「実践編」です。

 エジプト好きの皆様なら、必ず一度は写真や実物を見たことがある、ルクソール西岸・王家の谷にあるツタンカーメン王墓玄室の北壁の壁画の文章を読んでみましょう。(さすがにこの墓の壁画の写真は撮れないので、私も写真を持っていませんので線画ですみません) お手元にガイドブックなど、この墓の壁画の写真を用意してご覧いただくとわかりやすいと思います。
 続いて左側のシーンの解読をしていきましょう。

 左側のシーンには、男性が3人います。いったい何をしているのでしょう。

 今回も、まず最初にヒエログリフの碑文を書き出してみます。そして分かるところから辞書を引いて単語の意味を調べていきます。こちらの方が一つ一つの文章が短いのでわかりやすいかもしれません。
 
<左端のミイラの姿をした人の上の文章>
 オシリス、ケントアメンティ(西方の第一人者)、偉大な神。

<中央の人物の上の文章>
 良き神、2国の主、王冠の主、ネブケペルウラー、永遠・永久の生命を与えられし者。

<右側の人物の上の文章>
 王のカー、石棺の先頭にいる者

 さあ、3人の関係が分かりましたね。
一番左にいるのは、冥界の神オシリスです。中央にいるのはツタンカーメン自身です。そして右側にいるのはツタンカーメンのカー(生命力を表す死者の分身)ですね。よく見れば、カーの頭上には、手を広げた「カー」という文字が乗っています。

 自らのカーを伴った(カーに伴われた)故ツタンカーメン王は、冥界の神オシリスを抱き、オシリスからも抱かれています。冥界の神様に歓迎された、ということは、死後、イアルの野に入ることが保証されたということでしょう。

(間違った点がある場合には、その責は小柳に帰します)