日本からの巡礼者は、定年や退職を機に、自分を見つめなおすために巡礼に出た、という方が多いようです。自分探しが目的でも、巡礼路の途中の歴史や文化や風習に興味を持っても、日頃のウォーキングの延長でも、きっかけはなんでもかまいません。巡礼の仕方も、フランス人の道の始まりの地点であるサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから800kmを一気に歩き通してもよいですし、何回かに区切って歩き通すことも、100km地点から出発して巡礼証明書の発行を目的にすることも可能です。その人それぞれの目的により、十人十色の巡礼の仕方があります。ただしあくまでもカトリックの巡礼路なので、信仰心から歩いている人も多くおり、それらの方々の邪魔をしないことを心がけてください。また巡礼路の維持に献身している人々がいることを忘れないでください。
年齢も、学生の記念旅行的な人々や、かなりご年配のご夫婦など様々です。区間も期限も区切られていませんので。それぞれの人がそれぞれのペースで巡礼路を歩くことができます。
クレデンシャル(巡礼手帳)を持ち、通り過ぎる様々な町や村でスタンプを押してもらいます。スタンプを集めて歩くところは、ちょっとしたオリエンテーリング気分です。同じ道を同じように通っても、皆さんそれぞれが微妙に異なる一人一人のオリジナルの旅の記録になります。一つ一つのスタンプは長い旅が終わった後に、旅を振り返る良い記念にもなります。 |